高気密高断熱の住宅は、冬でも暖かく快適に過ごせる一方で、「乾燥しやすい」という悩みを持つ人も多いです。しかし、実はこの「乾燥」をうまく活用すれば、健康や暮らしの快適さを向上させるメリットにもなります。今回は、高気密高断熱の家が乾燥しやすい理由と、それをメリットに変える方法を紹介します。
なぜ高気密高断熱の家は乾燥しやすいのか?
高気密高断熱の家は、外気の影響を受けにくく、室内の温度や湿度が安定しやすい構造になっています。しかし、それが原因で乾燥が進みやすくなることがあります。
1. 換気システムによる影響
高気密住宅では、計画換気(24時間換気システム)により、一定量の外気が取り込まれます。冬場の外気は冷たく、湿度が低いため、そのまま室内に取り込むと乾燥しやすくなります。
2. 暖房の影響
エアコンや床暖房を使用すると、空気が温められますが、湿度は上がりません。特にエアコンは、空気を循環させるため、室内の水分が奪われやすくなります。
3. 湿気の逃げ場が少ない
高気密住宅では、室内の湿度が外に逃げにくいため、一見すると乾燥しにくいように思えます。しかし、同時に外からの湿気も入らず、加湿しない限りどんどん乾燥していきます。
乾燥をデメリットからメリットに変える方法
乾燥は不快なだけでなく、風邪や肌荒れ、静電気の発生などの原因にもなります。しかし、適切な対策をとることで、乾燥を快適な住環境の要素として活かせます。
1. 加湿器を効果的に活用する
乾燥を防ぐ最もシンプルな方法は、加湿器を利用することです。特に気化式加湿器やハイブリッド式加湿器は、加湿効率が高くおすすめです。
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適正湿度は40〜60%(これ以上高いとカビやダニの発生リスクが増える)
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寝室やリビングに配置し、湿度計で管理する
2. 洗濯物の室内干しを活用
洗濯物を室内で干すと、乾燥対策になるだけでなく、冬場の部屋干し特有の「なかなか乾かない問題」も解決できます。
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エアコンの風が当たる場所に干すと乾きやすい
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除湿機との併用でカビ対策も可能
3. 観葉植物を置く
観葉植物は水を吸収し、蒸散作用によって自然に湿度を上げてくれます。
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おすすめの植物:サンスベリア、ポトス、パキラ
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水やりは適量で、根腐れを防ぐ
4. お湯を使った湿度アップ
冬場の乾燥対策として、お湯を活用するのも手です。
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やかんや鍋でお湯を沸かす(加湿効果大)
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入浴後に浴室のドアを開けて湿気を部屋に流す
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お茶やコーヒーをこまめに飲むことで、体内の水分補給も◎
5. 換気の調整
高気密住宅の換気システムをうまく調整することで、乾燥を和らげることができます。
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換気の強さを調整する(冬場は強くしすぎない)
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湿度の高い場所(キッチン・浴室)からの湿気を適度に活用する
乾燥がもたらす意外なメリット
乾燥は「悪いこと」と思われがちですが、実はメリットもあります。
1. カビやダニが発生しにくい
湿度が高いとカビやダニが繁殖しやすくなりますが、適度な乾燥環境なら発生を抑えられます。特に、湿度を40%前後に保つことで、ダニの繁殖を防ぐことができます。
2. 洗濯物が早く乾く
高気密住宅の乾燥しやすい環境を利用すれば、部屋干しでも素早く洗濯物が乾くため、冬場の生乾き臭を防げます。
3. 結露を防げる
湿度が高すぎると、窓や壁に結露が発生し、カビの原因になります。乾燥しやすい環境なら、結露の発生を抑えることができるので、家の寿命を延ばす効果もあります。
まとめ
高気密高断熱の家は、確かに乾燥しやすいですが、適切な対策をとれば快適な住環境を作ることができます。加湿器や室内干し、観葉植物などを活用しつつ、乾燥がもたらす「カビ防止」「洗濯物の早乾き」といったメリットも享受しましょう。適正な湿度管理を意識して、冬でも快適に暮らせる家づくりを目指してみてください!
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