小山 世次 自己紹介へ

『健康住宅』の定義ってご存知ですか? 健康住宅の落とし穴とは ! ! 

2022/03/16(水) 家づくりのこと

みなさんが想像する「健康住宅」とは、

どのようなものですか?

文字通り、快適な環境で、

家族みんなが健康で暮らすことができる、

それが「健康住宅」のイメージですよね。

 

「自然素材」をふんだんに使って、

化学物質を使用していない住宅。

室内の空気循環ができているから、

温度と湿度も生活するのに最適な状態に保たれて過ごしやすい住宅。

 

快適に生活ができる「健康住宅」は、

たくさんの方が憧れると思います。

自然素材にこだわる理由としては、

今、問題になっているシックハウス症候群を防げるということ。

一般的には、ここにとりあげた4つの要素を満たしている、

つまりシックハウス対策を行っている住宅を「健康住宅」と呼んでいます。

 

一般的には

・自然素材を使用している

・24時間換気を設置している

シックハウス対策が出来ているから健康住宅!

 

本当にそうでしょうか??

・自然素材を部分的に使用しているだけ

・うまく換気が出来ず空気が澱んでいても

 24時間換気を設置しているから大丈夫…。

ここに健康住宅の落とし穴があります!

こんな状態でも『健康住宅』って呼べてしまうのです。

実は健康住宅の定義は、

特に定められているものではないのです!

 

平成15年にシックハウス対策として

建築基準法が改正をされました。

しかしここにも大きな落とし穴が存在しています!

厚生労働省がシックハウス対策として

取り上げた化学物質は、わずか13種類です。

数多くある化学物質の中からわずか13種類だけです。

それがこちらです☟

①ホルムアルデヒド

②アセトアルデヒド

③トルエン

④キシレン

⑤エチルベンゼン

⑥スチレン

⑦パラジクロロベンゼン

⑧テトラデカン

⑨クロルピリホス

⑩フェノブカルブ

⑪ダイアジノン

⑫フタル酸ジ-n-ブチル

⑬フタル酸ジ-2-エチルヘキシル

 

輸入木材やシロアリ処理の薬、

床のフローリングや天井や壁のクロスの

接着剤、家具や日用品等、

気付かないうちに身のまわり四方八方から

上記13種類を含む化学物質が発散されています。

 

「シックハウス対策ができている健康住宅」と言われれば、

少なくともここにあげられた13物質は使われていないと思いませんか??

 

実は、改正建築基準法で定められているシックハウス対策のための規制があるのは、

この13物質の中の2つだけなのです。

13物質でさえ、多くの化学物質の中の一部だというのに、

さらにそれを絞って2つのみです。

その2つは、赤字で記した、

①のホルムアルデヒド、⑨のクロルピリホスの2つです。

⑨のクロルピリホスについては、

居室を有する建築物への使用が禁止になっているのですが、

①のホルムアルデヒドは、

使用に規制があるものの禁止になっているわけではないのです。

当然のことながら、それ以外の物質には規制がまったくありません。

 

ここまでのお話で想像できますか?

「健康住宅」は、

シックハウス対策ができているから安全だと言い切れるのでしょうか?

もっというと、

改正建築基準法に基づくシックハウス対策を行っている健康住宅が安全といえるのでしょうか?

もう、おわかりですよね? 

安全とは言い切れないのです。

改正建築基準法で規制されている化学物質は2つだけです。

 

そのうちの1つは使用禁止だけれど、

もう1つのホルムアルデヒドは禁止ではなく使用量の制限にとどまっています。

規制の対象になっていない化学物質は、

指針値を定めただけであって使用を制限しているのではないのですね。

それなのに、「健康住宅」と呼んでしまうのです。

 

規制されている2つの化学物質の使用だけ控えて、

それ以外の化学物質を使用していたとしても

「健康住宅」と呼べてしまうのですね。

 

みなさんが建てようと考えている家は、本当に大丈夫ですか?

大丈夫だと言えるように、

もっともっと正しく理解していきましょう!

 

 

 

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