小山 志穗 自己紹介へ

断熱とセットで考える「換気」 ― 空気の流れが家の性能を左右する ―

2025/10/02(木) 家づくりのこと

断熱性能の高い家は、外気の影響を受けにくく快適です。しかし、その反面で“空気がこもりやすい”という側面もあります。だからこそ、断熱と同じくらい重要なのが「換気計画」です。

換気とは、家の中の汚れた空気を外に出し、新鮮な空気を取り入れること。人が息をするのと同じように、家にも“呼吸”が必要なのです。
換気が不十分だと、湿気や二酸化炭素、ハウスダスト、ウイルスなどがたまり、健康にも悪影響を及ぼします。

特に最近の住宅は気密性が高いため、自然に空気が入れ替わることはほとんどありません。そのため、計画的な「機械換気」が欠かせません。
中でもおすすめは「第一種換気(全熱交換型)」と呼ばれる方式。
これは外気を取り入れる際に、室内の熱を再利用して温度差を少なくするため、冬でも冷たい空気が直接入ってこず、エネルギーロスが少ないのが特長です。

また、換気の流れを考えるときは「どこから空気を入れて、どこから出すか」が重要です。
部屋ごとのドアの下に少しの隙間を設ける、換気扇の位置を整えるなど、家全体の“空気の通り道”を意識することで、より快適な空間になります。

断熱と換気は、どちらか一方では成り立ちません。
しっかり断熱しながら、計画的に換気することで、空気も温度も心地よい家が実現します。
“見えない性能”にこそ、住み心地の差が表れるのです。

 

 

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