小山 志穗 自己紹介へ

【後編】高気密な家ほど危ない?快適さを支える「換気」の正体

前編では「断熱」の重要性を解説しましたが、もうひとつ見逃せないのが「換気」です。実は、断熱性能の高い家ほど、換気の質が暮らしの快適さと健康を左右します。

今回はその理由と、適切な換気のあり方についてシンプルに解説します。


■ 換気って、そんなに大事?

はい、大事です。なぜなら、私たちは毎日、空気の中で生活しているから

  • 呼吸によって二酸化炭素が増える

  • 料理や入浴で湿気がこもる

  • 建材や家具から化学物質(例:ホルムアルデヒド)が出ることも

これらが密閉された空間にとどまると、空気が汚れ、健康被害や不快感の原因になります。


■ 高気密住宅の落とし穴

最近の住宅は、断熱性と気密性が高くなっています。これはエネルギー効率の面ではとても良いことですが、空気の逃げ場がない=自然換気されにくいという問題も。

そのため、**計画的な「機械換気」**が必須になります。


■ 換気が不十分だとどうなる?

  • カビやダニが発生しやすくなる

  • 結露による建物の劣化

  • 頭痛や倦怠感、アレルギー症状が出ることも

  • ペットや料理の臭いがこもる

つまり、「空気がよどむ」と、家の中の快適さと健康は一気に下がります。


■ どんな換気が理想的?

理想は24時間換気システムです。
特に以下の2つの方式が主流です:

  1. 第一種換気:給気も排気も機械でコントロール(快適・高性能)

  2. 第三種換気:給気は自然、排気は機械(コスト低め・最低限)

また、熱交換型換気を導入すると、外の空気を取り入れながらも冷暖房の効率を下げません。


■ 断熱と換気はセットで考えるべき

断熱性の高い家にしたら、それに見合った換気の計画が不可欠です。逆に言えば、換気をおろそかにすると、せっかくの断熱が台無しになることも。

まとめ

快適で健康的な住まいをつくるには、「断熱」と「換気」の両方が欠かせません。

断熱は、外気の影響を防いで冷暖房の効率を高め、室温を安定させる役割があります。これにより、光熱費の削減や結露の防止にもつながります。

一方、換気は空気を清潔に保ち、湿気や有害物質、ニオイを外に排出してくれます。カビの発生やアレルギーのリスクも抑えられ、家族の健康を守ることにつながります。

どちらか一方だけでは不十分。断熱と換気はセットで考えるべきものです。家の性能を上げて心地よい暮らしを実現するためには、この2つをしっかりと見直すことが大切です。

 

 

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