整理収納を始めようと思ったとき、「まずは収納の中にある物を全部出しましょう」と紹介されることがあります。確かに、持っている物を把握するためには効果的な方法です。しかし、忙しい毎日の中で一度に全部出してしまうと、途中で時間がなくなり、かえって部屋が散らかってしまうこともあります。
無理なく整理収納を進めるために、最初に考えたいのは「この場所をどのように使いたいか」という目的です。
たとえば、リビングなら「家族がゆっくり過ごせる場所にしたい」、玄関なら「出かける準備を短時間で済ませたい」、キッチンなら「料理中の移動を減らしたい」など、場所ごとに理想の状態を考えてみましょう。目的が決まると、その場所に必要な物と、別の場所へ移した方がよい物を判断しやすくなります。
作業する範囲も、引き出し一段や棚一段など、小さな場所から始めるのがおすすめです。中の物を取り出したら、「よく使う」「時々使う」「ほとんど使わない」「手放す」のように分けてみましょう。迷った物はすぐに捨てなくても構いません。「迷っている物を入れる箱」を用意し、見直す期限を書いておくと、落ち着いて判断できます。
整理収納というと、収納用品を購入して物をきれいに並べることだと思われがちです。しかし、収納用品を買うのは、必要な物と置き場所が決まってからです。先にケースや棚を増やしてしまうと、空いた場所に新しい物を入れ、物の量がさらに増えてしまう場合があります。
大切なのは、見た目だけを整えることではありません。使いたい物をすぐに取り出せて、使った後に無理なく戻せる仕組みをつくることです。
最初から家全体を整えようとすると、気持ちも体も疲れてしまいます。今日は引き出し一段、明日は棚の一角というように、小さな範囲を少しずつ進めてみましょう。小さな達成感の積み重ねが、家全体の心地よさにつながります。
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